*0.はじめに **0.0 まなびネットへの書き込みは,できるだけ水曜日夕方までに -それを過ぎたものは,下記のような感じで反映することはできません。 **0.1 Case 1-2 について - 「濱島くんの冷めた目」も,なかなか興味深いよね。 --そう,所詮学校での授業って,「先生がこうしたいと思い,レールを仕組んでいる」ことは,生徒の側からはお見通しでしょうね。「やらされているにすぎない」のが第三者からみたときの現実かもしれません。あるいは,学校教育なんて,社会にとって,「次の構成員としての子ども」を「次の社会にとって都合のいいように仕込んでいくだけのこと」なのかもしれません。 --でも,きっとこれまでのみなさんの生徒としての経験でもあるだろうけど,あるいは参観してきた経験でもあるだろうけど,「ある先生の授業と別の先生の授業では,同じことをしているはずなのに,生徒の生き生きとした感じが全然ちがう」ということは「ある」のです。 --もしかすると,生徒は,「先生,ぼくたちがどう演じると喜んでくれるんですか?」と言わないけど,それを察して「演じているだけ」なのかもしれません。でも,そういうことをしながらでも,なにか「いい時間を共有できる」と,いいのではないでしょうか。 -「探究」という概念は,いくつかの視点を与えてくれると思います。 -(1) 「道具を変える」だけでも,印象が変わる。 -- 1-2でまず読み取っていただきたかったのは,「フリーハンド」「定規・コンパス」「作図ツール」で,三つの垂直二等分線をかくということは「人間にとってはかなりちがうものに感じられる」ということです。 -- だから,一般論として,「安易にICTに切り換えるだけでは,あぶない」ともいえますし,「ちがうチャンスがあるかもしれない」ともいえます。 -(2) その道具をどう使うかでも,印象が変わる。 -- 前回も扱いました。「3本ひく」のと「2本ひく」のではちがう展開ができます。 -- 「集合場所を考える」のでも,ちがう展開ができます。 -- じつは外心の教材化はそういう意味で,かなり多様なストーリーで展開することができるのです。 -(3) 「どういう体験をするものとして,外心を位置づけるか」が多様 -- みなさんが,いずれ指導案作成をするというのは,その多様なストーリーの中から,どれを選択し,そしてどういう流れを想定していくかということを「実践してもらいたい」ということです。 -(4) そもそも,数学そのものが多様な世界であり,またそこにいろいろなものがいろいろな役割を担っている。 --「うまくいかないな」という現実の現象を観察し,「本当はどうなっているはずなんだろうね」というところから,「本当ハ....どうなるはず」というものを表現するものとしての数学的命題の役割が感じられます。 --それをきちんと語ることが,「証明」になるはずです。 --個々の現象でなく,一般に..といいたいから,性質に注目したりします。 --そういうことに関して,幅広くそして奥行きがかなりある文化の総体が「数学」なわけで,その中で,価値あることを生徒に体感してほしいわけです。 -(5) 間違った予想があるけど,それは「間違っている」というだけのことか? --「放物線みたいにみえる」のは,「ただの間違い」なんでしょうかね。それとも,みなさんだったら,「それをうまくいかせる」のでしょうかね。 -(6) あるところでうまくいったことは,似たところでもうまくいってほしい。 --外心でうまくいったことは,......内心でもうまくいく...こともあるし,うまくいかないこともある。 -みなさん,いろいろな「入り口」を前回の話題との関連で実感してくれていると思います。 **0.2 「作図」に関連して / 「疑問に答える」 -「線分の条件を束縛して軌跡を観察することができませんでした。また、作図の途中に生まれた点に条件を加えられませんでした。「一度戻る」操作をもっと簡単にすぐできるようになれば便利だと思います。」 -- 「点の動き」を束縛する方法は,複数あります。 --- 「キーボードを使って,上下左右に一定間隔で動かす」のを利用する --- 「左下の吸着ボタン」を使う --- 「編集」機能で「束縛」する --「一つ戻る」 --- ショートカットキーとして,Ctrl + U があります。 --- ちなみに,「同じ作図」は,Redo として,Ctrl + R があります。 --- これらのショートカットキーは,通常のソフトでもそれぞれ固有なものがいろいろありますが,GCの場合にも,かなり設定しています。 -- キーボード操作で効率的にできることが多い --- たとえば,三角形の作図では,3点あるだけなら,enterを3回でささっと作図できます。 --- この手のことは,「なんかいい方法ないの?」と言ってくれると,さらに紹介できるでしょうけど,それらを最初からすべて覚えるのは,また面倒くさいはずなので。 *1.軌跡 **1.1 -軌跡には,次の二つの側面 - 点の動いた跡 - 条件を満たす点の集合 *2 GCにおける「軌跡(1)=幾何的対象の動いた跡」 ** 2.1 点の場合 - 「編集」で,「軌跡の色」を設定する。デフォルトの「透明」は「残さない」ことを意味する - 「軌跡のスイッチをonにしておくと,残す」そうでないときは,残さない -- いつも残すのは適切でないから。 -- clearボタンで消せる ** 2.2 概念の拡張 - 数学としては,点の動いた跡を軌跡(trace)という。 - また,1次元的な広がりを指すことが普通。 - 「直線」や「円」の動いた跡も,同じような手続きで跡を残せる。 - 数学的には,「直線の通過領域」のようなものを表現したりする。 **2.3 例題 - 2点A,B を上下にとる。 - 線分ABをひく - ABの垂直二等分線をひく。 -Aを左右ににうごかしたとき,何がみえる? -ここで描画されるものは,数学的には,包絡線と言われる。 -これを「点の軌跡」として表現することはできないだろうか。 **2.4 各自の課題を作図したい -自分が考えてきた問題を作図してみよう。 -「むずかしいもの」「できないもの」「不適切なもの」もあるだろうけどね。 *3 GCにおける「軌跡(2)=条件を満たす点の集合」 ** 3.1 教科書では,こちらでまとめている -1点Aがあり,そこからの距離が10となるような点Pの集合は... - 2点A.Bから等しい距離にある点Pの集合は,..... - 角∠AOBがあるとき,それら二つの半直線から等しい距離にある点Pの集合は,..... -一般には, -- どうでしょうね。 ** 3.2 代表的な教材 *** 円周角の逆 -見込む角の大きさ一定 *** 等積変形 -面積一定 -この件は「課題」にします *** アポロニウスの円 -比がたとえば,2:1 ** 3.3「陽関数と陰関数」との関わり - y = f(x) - f(x,y)=0 -- 上記との関わりを説明してみよう。 ** 3.4 「便利?」な機能は「便利」なの? -条件を満たす点の集合をボタン一つで求める隠し機能 *4. 模擬授業から - 小学校の図形の問題を,発展させながら,「みなさんなりに解決」していただこうと思います。 |#00012-0526-1| *5.課題 **5.1 今日の感想 **5.2 「この授業の教科書」について -「5.4 等積変形を探究する」を読んで「GCを使った等積変形の教材化の可能性とむずかしさ」についてまとめなさい。 **5.3 GCで探究する価値がありそうな問題を一つ - 「いろいろな場合」を調べることや,「軌跡」に関することを学んできました。その路線でもいいし,ちがう路線でもいいです。 - 「いずれ指導案を作成するための素材を探す」ことがねらいであって,「そういうつもり」で探してください。 - 「使えないもの」を見つけてもかまいませんが,みなさんの「次」に生きないのです。 -逆に,「こういう問題は扱えるのかどうかアドバイスがほしい」なら,ぜひ,そういう問題を取り上げてください。 **5.4 今日の最後の問題に関して -次のいずれか -- 「ちゃんと解決」できるかな? -- 中学生に考えさせるとしたら,「どういう問題」が手頃でしょう。その「解決例」は? -- 使い方として「反例」を示すためという手もありますよね。たとえば? -- 「類題」や「関連する問題」をつくってみてもいいですよね。