*0.はじめに ** 九点円の指導案 -@shidouan_2023.docx, こちらにあります。 ** 指導案作成のテンプレートとして -前回の授業では,もっと早く提示するつもりだったのですけど,つい遅くなってしまいました。 -今後みなさんが作成する指導案は,基本的には,この指導案をテンプレートとして,それを改変する感じで取り組んでください。 -なお,「8.指導案」の部分に関しては,より書きやすいスタイルがあるなら,それに変えてもかまいません。 -実際,実習のときにかく指導案のスタイルは,学校や地域によって異なるので。 **6/30 - 6/30は,申し訳ないのですが,県教委での会議があります。 - 「授業ビデオ等を試聴し,分析し,自分の教材研究や授業設計に生かす」ということをねらいとした,オンデマンド型の授業にしたいと思います。 -- 想定しているビデオには,前回の九点円(山中実践)など,数本があり,その中の一つを選択するというスタイルを考えています。 ** 「具体的な素材」を扱うことや,「各自の素材を深めていくこと」が中心になっていく - 前回も言いましたが,特に「自分が指導案作成まで仕上げていきたい素材」を明確にしてください。 - うまくいきそうもないなら,他のものに変えるのも「アリ」です。 - いくら,すべて出席していて, まじめに受講していても,「自分が取り組みたい素材がない」というようなのでは論外なのです。 ** きっと解説ならできるでしょうけど - 選んでいる問題の解答をつくり,解説をする,等のことであれば,きっとみなさんならできるでしょう。 - よりわかりやすい解説のためのICTを使うというのも,一つの基本的なスタンスかもしれません。 - でも,きっとその場合は,「先生がICTを操作し,生徒に見せるだけ」で十分だと思います。 - でも,GIGA以降,タブレットがわるわけです。 - 生徒が操作して,なにかを見つけたり,議論したり,解決するようなことに焦点を当てたいわけです。 - でも,「一人一台」にはこだわりません。 - 一人一台は,「孤立化」しやすく,話し合い活動をしにくいのです。 *1. いくつかの視点 ** 1.1 「その教材の魅力はなに?」 - きっと,みなさんに毎回ききます。 -- 「この教材の魅力はなに?」 -- 「この教材はどこがおもしろいの?」 - これを言語化できるなら,「主要な作業のかなりの部分は終わっている」といえるでしょう。 ** 1.2 「それを生徒が再体験できるようにしたい」 - 上記のことを,先生が解説するのも一つの方法かもしれないけど,できるなら,主役は生徒に渡してあげたい。 - そうするためには,なにを変えるといいのだろうか。 - それが基本的なことです。 ** 1.3 「ストーリー」をつくろう - 「問題」が提示され,その解法をできるだけ短時間で作成する,それが大学入試等で求められてきたことなのかもしれませんし,みなさんはそれに忠実に取り組んできたのだろうと思います。 -「いい入試問題」は,解決のプロセスでいろいろなことが気づけるように仕掛けてあったりします。 - でも,そこではかなりの数学的な力量を求めていることが多いので,一定レベル以上の入試問題であって,そこまでいかないときは,たとえば,教科書の章末問題のような感じで,「知っている知識を当てはめて,解決できるかどうか」を調べるための問題であることが多いです。 - 実際の「授業」では,「対話的に構成する」ことができるわけですから,生徒の理解度を確かめたり,生徒が見つけてくれたことをもとに構成することができます。 - そこに,「ストーリー」を生み出してほしいのです。 ** 1.4 「現実の問題場面」を想定したときの「必然性」 - 「そりゃ,こういうことを考えるよね」 ** 1.5 「数学的な活動をする」ことの価値や必然性 - 証明することの価値 - 反例を見つけることの価値 - 条件に注目することの価値 - など, **1.6 多様性と「それらをどう扱うか」 - 「別解」は,基本的 -- 「どちらでもいい」のか,「こっちの方がいい」のか。 - 「いろいろな場合,事例....観察結果」 -- 個別の事例を見つけること,そのものにも価値がある。 -- それらが蓄積していったとき,.... --- それらは「一つの集合」であり,「一つに集約」できるのか? --- いくつかの種類に分類されるものなのか? --- 分類は「形」によって? それとも,「条件」によって? --- 「あってもいいはずなのに,ない」ものもある? --- 「見つけられたら価値がある」候補もある? *2. ケーススタディ - 扱ってほしい事例 があったら,ぜひ。 - 手をあげてくれたものを優先的に議論したいと思います。 - 以下は,今回の課題に関連して提出されたものから **2.1 荒山くん / ラグビーのコンバージョンゴール - この問題を考えることの必然性 - 他にも,いろいろありそう。 **2.2 荒山くん / 1点を共有する二つの正方形 -「この図」の価値をどう見いだすのか。 - 「この図あるいは問題」を,一つの系列の中で発展していくものの断片と捉えるのかどうか。 **2.3 濱島くん / ニュートン線 - まず,きちんと証明してみるといい。 - その証明は,生徒に取り組ませるのに,適切なむずかしさかどうか。 - 適切なヒント等を与えることで,「適切な難度」にすることができるのか。 - それとも,「発見した喜び」だけでいいのか。 - 「発見」の内容は? -- 共線性 -- 別のこととの関わり -- 特殊化・一般化など **2.4 伊藤さん / 根軸・根心 -上記と同様。 -関連する様々なバリエーションは? **2.5 村井くん / 方ベキの定理 - ある意味で,高校数学の素材の中で,かなり扱いやすい代表的なもの - だから,「ほぼ独力で最後まで仕上げてもいいはず」と感じます。 - ただ,図や問いはいろいろな出発点がありそうなので,複数つくって比較検討してみることをおすすめします。 **2.6 荒川くん / 面積最大 / 平野くん(2.14) - 「輪の長さが20の輪ゴム」等との記述があるけど,無理に現実の問題としての記述をしなくても,半径10の円に内接する四角形ABCDを考える。ABCDの面積の最大値とそのときの形状についてのべよ。でもいいような気がする。 - で,「どこがおもしろいの?」 - この言い方,やっぱりトゲがあるかな。 - 「どこにおもしろさを感じるの?」 - この線でいきましょうか。 -- 平野くんも挙げてくれていました。 **2.7 松井くん / Morey の定理 - 実は,この定理と簡単に接することができるようにするために,GCでは「角の3等分線」が作図できるようになっています。 -- ご存じのように,定規・コンパスでは,角の3等分は作図できないのです。 - で,この定理に関して,生徒はなにを学ぶの? - なにを探究するの? **2.8 斉藤さん -文字通り,この問題に関しては,「どういうストーリーを想定するのか」が大切じゃないかな。 -「角の二等分線を使わずに」とか書く方が,なんか不自然な問いのように思います。 -この問題,優先的に扱おうか。 **2.9 川端さん / - ここにかいてある図,正しい? - つまり,この図,2円の接点Tとあるけど,その接点は,「共通の接点」ですか? - この図は,そうなっていない。 - この問題の「本質」はなんだろう。 **2.10 井上くん / 垂脚三角形など - そもそも,ここで,こういうことを話題にしているのは,「なにをねらっているからなのだろうか」 **2.11 井野さん / Euler線 - Euler線の証明は,「きちんと理解できましたか?」 - それを,高校生あるいは中学生が学ぶとしたら,.... -- どういうところに,むずかしさを感じるのでしょう。 -- どういうところを生徒が「発見の喜び」にできるのでしょう。 -- そういう意味での「この教材の魅力」はどこでしょう。 -- 等を踏まえたとき,「証明」をターゲットにするのか,しないのか。 -- もし,「しない」とすると,別のことを柱にしないといけないので,..... **2.12 櫻木くん / 内心と傍心 - 「この結果」は,ストーリーの中のどこで,どう登場するのがいいのでしょうね。 -そもそも,内心と傍心は,どういう関係にあるのでしょうね。 -それを実感できるようにするには,.... **2.13 大村くん / 正三角形の内部からの垂線の足 - この問題は,「どういう系列の一部」と考えますか? - どういう解を想定していますか? - 内部じゃないとだめですか? - 他の三角形だと,どうなりますか? **2.15 近藤くん / 双曲線 -答えから逆算する方がいいだろうね。 *3. 課題 -3.1 今日の授業の感想 --いつものに加えて,「今日の参加方法」 -3.2 (自分が取り組む課題について) 授業の大まかな流れ -- まなびネットのフォーラムに,ことばで20-30行程度を想定しています。 -- そこで使うことを想定している図があったら,GCにオンライン保存し,リンクをはっておけるといいですね。 -3.3「取り組もうと思っている問題」 -- これまでとは違う問題を今後扱おうと思う方は,その問題をかきこんでください。 -- 「今日上記で取り上げていない方」も,かきこんでおいてください。 -3.4 「CIIの教科書」の CASE 1-5 について -- どうしてこの問題は「手がきの図」の方がよいのでしょう。 --- (1) 正確な道具を使うと,どうなりますか? --- (2) フリーハンドのような,正確でない道具を使うと,どうなりますか? --- (3) 上記のどちらでも証明すべき問題を見つけることができそうですが,なげ(2)の方が中学生に適切と思えるのでしょう。