*0.はじめに **0.1 「解説」したくなるよね。 -「授業」あるいは「教育」と思うと,きっと「教えたくなる」と思います。 -「教科書をきちんと解説する」あるいは,「教科書での段階を追った記述ではまどろっこしいから,てっとり早く解法をわかりやすくしてくれる授業」のよさを,きっと高校のときに実感してきたと思います。 -そのよさを否定するわけではありません。 -でも,「あなたにとっての数学の魅力」って,「テストでいい点数をとれる/とれた」ということですか? -もし,そうだとすると,「そういうテストを受けさせてくれる機会」がなくなった瞬間に,その努力は,無意味なものになるのです。 --きっと大半の人にとっては,それは大学入試を意味する。 -「人間が計算そのものをしなければならなかった時代」では,「数学がわかって計算等をできること」が,「実務的な意味」を持っていました。 --でも,いまどき,そんなことはありえません。 -「それでも,やっぱり,数学って,おもしろいよね」という数学の魅力を感じられる人であってほしいし,「そういういいものを子どもが経験できるように仕掛けていく人」であってほしいわけです。 **0.2 「解説」は,「おもしろさを奪ってしまうリスク」も伴っている。 -「この推理小説はおもしろい」と紹介するとき,「実は犯人はね...」とネタばれをしたら,きっと嫌がられます。 -テレビドラマや映画も,本当はそうのはず。 -ただ,いまどきの「タイパを求める若者」は,違う価値観で見ていたりする。 -そこは,もしかすると,「価値観の大転換を,私たち世代がしない」といけないのかもしれません。 -ただ,はっきりしているのは,「おもしろさを感じる主体性を奪ってしまう」ことには間違いないのです。 **0.3 「今までとは違うおもしろさ」を生成できるなら,話は変わってくる。 -一つの映画を見るのに,2時間かかるとすると,時間が限られている私たちには「みることができる本数」が限られています。 -「同じような味わい方をしなくていいから,たくさんみる/知る」ことが,新しい時間を生み,そして,新しい「おもしろさ」を実感できる世界を構築できるなら,それは話は別です。 - 今まで不可能だったレベルでの「おもしろさ」を実現してくれるのですから。 **0.4 「授業も限られた時間の中でしか行えない」 -「この時間の中で,こういうおもしろい学びを実現したい」ことに忠実でありたいわけです。 - そのおもしろさの「中核」はなにかを明確にしたいわけです。 - そのためには,あることは「解説しないといけない」こともあるでしょう。もちろん。 - そのためには,コンピュータに計算や描画をさせてしまうことの方がよいこともあるでしょう。 - あえて,手書きに限定してしまうことの方がよいこともあるでしょう。 - 「この素材の魅力はどこにあるのか」を語れることが,大切なのです。 **0.5 「問題」あるいは「探究」 - 「与えられた問題に対する正しい答えを出す」ことを,きっと過度に強調されてきたかもしれません。 - でも,もともと,数学の魅力を直接表現するものは「考えることのおもしろさ」です。 -そこでの「考える」は,たしかに「問題から出発する」のだけれど,「知っていることの再生」なんて,魅力的なわけがありません。 - 「あーおもしろかった」「今日は時間がとっても短く感じた」こと,ありませんか? - 「記憶の再生」だったら,5分ももちません。 - 1時間あるいは2時間。あっと言う間にすぎてしまった経験,ありませんか? - 卒業までに,できることなら,1週間くらい「つい,考えてしまう」経験をもてるといいですね。 - それだけの時間を続けられるだけの魅力を生み出してくれる問題の魅力を実感してほしいのです。 -「ぼーっとしている」だけでは考えることにはなりません。 -1時間も2時間も,何をしているのか,きっと「いろいろなおもしろいことの展開」がその中にあるわけで,それら全体を記述するのが,探究ということばでもあると思います。 **0.6 だから,授業では,「発問」が大切と言われる。 - 教師がコントロール可能なもの(人間行動における変数)の中心は,「ことば」です。 - だからこそ,授業の初期値としての「発問」は大切です。 - 生徒がなにかを返してくれるとしたら,それをどうひろい,どうつなげていくか,それも「ことば」です。 - 生徒の活動の対象もICT環境としては操作可能な変数なわけで,GCでは,「与える図」なども大切です。 **0.7 いい問題と接することは,子どもにとっても,今のみなさんにとっても,これからの人生の中でもとても大切。 -これは,数学に限定したことではありません。 -ただ,数学に関しては,かなり簡潔明瞭に,その問題を表現することができるのです。 -「いい問題」は,数学にとっての文化遺産でもあるのです。 *1.秋の教育実習を見通して -「高校」のみなさんは,1週間附属高校での観察実習があり,その後,附属中学校での実習が予定されているようです。 -「附属高校での観察」って,意外に「難しい」と想像します。 -- 今後,そのやり方をつめていくことになるでしょうけど。 -附属高校では,しばらく前に,神谷先生が,「塩山」に関する実践に取り組みました。 -実は塩山に関する課題は,去年の12月に,附属名古屋中で,松元先生が実践しました。 -「中学校」と「高校」では課題が違いますし,課題も違います。 -附属高校や名古屋・岡崎の附属中学校の様子を事前に感じていただくように,来週のビデオの中に用意しておこうと思います。 -でも,「自分でちょっと考えてみる」のも,きっと大切なので,今日の冒頭で,少しそれを扱ってみたいと思います。 *2.みなさんからの「授業の概要」をもとに -今のみなさんなりの「ストーリー」でいけそうであれば,その路線を指導案の形に表現していくのが,次のステップです。 -扱っている課題によっては,ストーリーをつくりやすいものもあります。意外に難しいものもあります。 -あるいは,みなさんにとっての「困っている感じ」が人によってかなり違うと思います。 -その様子を考慮しながら,「まず,みなさんから語っていただく」(できたら,模擬授業的に。でも,そんなに時間を多くはそれないけど。)ことを出発点にしていきましょう。 -すべてを今日扱うことはできないと思いますが,今後,少なくとも全員一回は,扱えるようにしていきます。 **2.1 櫻木くん -5心のことを踏まえた上で -内心と傍心の関わり -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00077-2210087.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00077-2210087.htm **2.2 大内くん -2円と2直線 -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00069-2210634.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00069-2210634.htm **2.3 松井健くん - -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00075-2-2210645.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00075-2-2210645.htm -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00076-03-2210645.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00076-03-2210645.htm **2.4 井上くん - -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/hirakata/gchtml/gc_00012-%90%82%91%AB%8EO%8Ap%8C%60.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/hirakata/gchtml/gc_00012-%90%82%91%AB%8EO%8Ap%8C%60.htm **2.5 橋本くん -重心について -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00083-2210640%81%5B%8Fd%90S%82%CC%96%E2%91%E8%90%7D%82P.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00083-2210640%81%5B%8Fd%90S%82%CC%96%E2%91%E8%90%7D%82P.htm -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00070-2210640%81%5B%8Fd%90S%82%CC%96%E2%91%E8.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00070-2210640%81%5B%8Fd%90S%82%CC%96%E2%91%E8.htm **2.6 川端さん - -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00081-2210083-2.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00081-2210083-2.htm -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00082-2210083-3.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00082-2210083-3.htm **2.9 桝さん - -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00073-.htmhttp://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00073-.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00073-.htm **2.10 斉藤さん -先週の路線 **2.11 村井くん -方ベキの定理 -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00086-2210646+%95%FB%82%D7%82%AB%82%CC%92%E8%97%9D%81i%82Q%81j.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00086-2210646+%95%FB%82%D7%82%AB%82%CC%92%E8%97%9D%81i%82Q%81j.htm **2.12 水野くん -シムソンの定理 -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00080-%83V%83%80%83%5C%83%93%90%FC.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00080-%83V%83%80%83%5C%83%93%90%FC.htm **2.13 石橋くん -周一定の長方形での面積最大 -@ http://iijima.auemath.aichi-edu.ac.jp/ftp/yiijima/gc_html5/gchtml/gc_03408-2210632.htm,http://iijima.auemath.aichi-edu.ac.jp/ftp/yiijima/gc_html5/gchtml/gc_03408-2210632.htm **2.14 濱島くん -最短経路 -@http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00088-%90%EC%82%D6%8Ds%82%AD%8D%C5%92Z%8B%97%97%A3%82%CC%96%E2%91%E8.htm,http://yiijima.sakura.ne.jp/GCs/aue-2023c2a/gchtml/gc_00088-%90%EC%82%D6%8Ds%82%AD%8D%C5%92Z%8B%97%97%A3%82%CC%96%E2%91%E8.htm **2.15 西川くん -楕円と双曲線 *3.新しい「問題」 **3.1 大内くん -2円の交点を通る2直線が2円と交わる点を結んだ線分について -「逆平行」といわれたような... -「研究授業の定番」の問題の一つ -やりやすいはず **3.2 橋本くん -二つの三角形の重心が一致する場合のこと -証明問題として扱うなら,動的は意味がない。 -「発見」をどう仕掛けていくといいだろうか。 **3.3 松井健くん -内心と傍心の中点は外接円上 -証明問題として扱うなら,動的は意味がない。 -「発見」をどう仕掛けていくといいだろうか。 **3.4 枡さん -ヒポクラテスの三角形 -この問題そのものはおもしろい問題 -動的に扱うのはちょっと難しい。 **3.5 川崎さん -円周角の定理の周辺 -扱いやすいはず **3.6 水野くん -シムソンの定理 -「問題を自然に設定していく」にはどうするか。 **3.7 濱島くん -最短経路の問題 -中1の定番の問題の一つだが,これを動的に授業化するのは,簡単ではない。 -解説は簡単だけど。 -また,その探究のバリエーションは多様で複雑。(教科書参照) *4.CASE1-5に関連して -素材によっては,次の選択肢を検討することが必要。 --「動かして調べる」 ---図だけ ---測定あり ---測定に加えて数式の計算もあり ---測定あるけど,精度が低い ---測定「値」でなく,長さなどでアナログ表示 --「動かさないで念頭でイメージする」 ---実際にどうなるかを,その後,教室に一つのPCで検証 --フリーハンドで描画 ---教室に一つのPCでどうなるかを観察し,その理由について考える ---このとき,フリーハンドの「間違った図」の方が,証明を思いつきやすいことも少なくない。 *5. 課題 -5.1 今日の授業の感想 -5.2 「次回に扱ってほしい」方 --「(自分が取り組む課題について) 授業の大まかな流れ」 --今回のものの代替案,修正案 --- まなびネットのフォーラムに,ことばで20-30行程度を想定しています。 --- そこで使うことを想定している図があったら,GCにオンライン保存し,リンクをはっておけるといいですね。 -5.3 見通しが立っている方は,指導案作成を進めてください。 -- 出来上がった方は,メール添付で飯島まで。 -- 特に4年生は...