*0.はじめに **0.1 「前回のやり方」に関するみなさんの意見に関連して ***0.1.1 -授業を「どう見るか」は,決して簡単ではありません。 -「いい授業のビデオについての感想」を書いてもらうと,意外に「わかっていない」ことも多いのです。 -そういう意味では,基本的に,「授業ビデオをみるときには,一緒に議論することが不可欠」と,私は思っています。 -そういう意味でも,このCIIの授業の中では,ある意味「わかりやすい授業」を中心に,毎回一つずつくらいビデオを試聴してもらって,コメントを書いていただくことをしてきました。 -しかし,その時点において,みなさんが「授業をみたい」と思っていたのかどうか,それは定かではありません。 -教員養成系の大学の学生であれば,きっと授業に関心があって,チャンスがあったら参観したいと思っているはずだ,多くの人はついそう思ってしまいます。 -でも,現実は必ずしもそうではありません。 -特に,附属学校での公開授業等があり,紹介しても,決してそれほど集まりません。 -そこに参観にきているのは,他大学の学生ばかりということも,決して少なくないのです。 --なぜなのでしょうね。 ***0.1.2 「意図」がないと,何も見えない。 -「なにかをみたい」と思わないと,見ることはできない。 -それは,多くのことに関して共通することですが,授業についても同様です。 -そういう意味では,今回のように,「関心がある授業を選択してみる」というのは,一つの方法かなと思います。 -もちろん,「いろいろな授業をみたい方は,幅広くみることもできます」 -逆に,あまり関心がない人には,「ま,レポートをかける範囲だけみればいいや」ということでもあるかもしれません。 ***0.1.3 過去には,こんな方法も。 -授業ビデオを5分ずつ分担して,そのビデオの会話記録を作成してもらい,それを集め,字幕をつけました。 -10人学生がいると,1本のビデオの会話記録がつくれるので,40人いれば,4本分のビデオを分担し,会話記録の字幕化されたビデオを「まず会話をきき,字幕化したものを,再度見直して,分析する」ことをしました。 -ときに後期の場合には,授業研究会の「途上」でもあったので,実際に附属中の先生にきて貰って模擬授業を試み,「その授業のビデオ」を扱ったこともありました。 -コロナを境に,そういうことはできなくなってしまって,しなくなってしまいましたけど。 ***0.1.4 コロナをきっかけに,「こんなこともできる」と思ってみたけど。 -逆に,コロナをきっかけに,附属小中学校に,「オンライン授業配信のためのスタジオ」を学長中心につくりました。 -研究授業をオンライン配信することで,「そこにこなくても参観できる」ようになったからです。 -たとえば,本学の数学の免許を取得する学生は,1学年あたり100名程度います。 -1学年だけでも,全員が参観することなど,対面ではできません。 -でも,オンラインなら1学年でも,全学年でも可能です。 -大学にいて,名古屋でも,岡崎でも参観することが可能です。 -実際そういうチャンスはつくりました。 -でも,現実にオンラインで参観する学生は,決して多くなかったです。 ***0.1.5 「こんなことはできた」 -GCに関連して,名古屋中では,オンライン授業研究会を数回行いました。 -研究に以前から関心を持っている方々が全国から参観してくれる研究会を開催することはできました。 -名古屋中独自の授業研究会を2月に実施しました。 -思いがけないことでしたが,国内のいろいろな大学の附属中の先生がオンラインで参観し,議論をしてくれました。 -コロナが始まったころ,教職大学院の院生とオンラインでの授業をzoomで行い,毎週かなり濃厚な議論をすることができました。 -通常の院生以外に,東京などで「ちょっと一緒に議論をしてみたい」と語ってくれた知り合いの大学教員も参加してくれました。 -逆に,院生から「今日の夜,ニューヨークの日本人学校のオンライン研究発表があるから,みんなで見に行こう」と,参加したこともありました。 -「そういう環境を生かす」のは,学部生ではなく,大学院生や社会人の方が適しているのかもしれません。 ***0.1.6 オンラインは,みなさん世代にとっては,「当たり前のインフラ」のはず - 「おためし」を,CIIの授業の中では行っています。 - 愛知県も含めて,いくつかの県の研修は,オンラインで取り組んでみたりもしています。 - きっとみなさんが就職し,活躍するときには,それは「当たり前のインフラ」です。 - いい形で生かしていくためのセンスを生かしてください。 -- 「いい」と感じたことは生かす -- 「よくない」と感じたことは,やらない。 **0.2 「課題」に関連して -「一斉指導」という言葉は,「先生から一方的に,わかりやすく解説する」ような授業を感じますけど,きっと,「そうではない授業像」をそれぞれのビデオで納得してくれたと思います。 - 過去,名古屋中では,「個人追究」と「集団追究(学級全体)」を主軸に授業を構成していました。 - 2010年くらいから,そこに「グループ」を取り入れました。 - 「グループでの学び合い」を成立させるために重要なのは,「適度な課題の難しさ」です。 - 一人で取り組むのではなく,数人(多くの場合四人)で協力しあいながら取り組みたいと自発的に思うようにしたいからです。 - 単に「作業のために協力する」だけでなく,「知っている生徒が知らない生徒に教える」というのではなく,互いが対等の立場で,「学びあう」ようにしたいわけです。 -もちろん,それは簡単ではありません。 -「話し合いたいときには,iPadの近くに集まって話し合う」けれども,証明の方針等がわかって「自分で取り組みたい」と思ったら自分のところでノートに書き込むような,「環境の選択の自由」を提供している様子,お気づきだったでしょうか。 -他にも,ワークシートの工夫など,デジタル・アナログのいろいろな工夫をしている様子があったと思います。 -ぜひ,「他の人はどういうところに注目しているのか」も参考にしてください。 *1.素材の検討 -希望者がいたら,まず優先的に扱います。 -特にいなければ,前回の「続き」を扱います。 *2.GCで「こんなこともできる」 -授業の中では扱わないかもしれません。 **2.1 複素数平面 - エキスパートモードにすると,複素数の演算を扱えるようになります。 - 偏角や絶対値や,極座標などを意識化することもできます。 - 「複素数平面」から「複素数平面への写像」として取り組むこともできます。 -たとえば,代数学の基本定理に関する理解を深めることなどもできます。 **2.2 変換 - 「点から点への対応」を実現する仕組みとして考えると,「変換について調べるための図」として扱うこともできます。 -関連して,エキスパートモードにすると,点対称,線対称など,変換に関する作図手続きを直接的に扱うこともできます。 **2.3 「格子点」上のみを動かす -たとえば,ピックの定理のような格子点上のみを点を動かすような話題を扱うこともできます。 *3. 課題 -3.1 今日の授業の感想(まなびネット) -3.2 「指導案作成」等を継続してください。 -- 出来上がったら,随時メール添付で提出してください。 -3.3 問題等を変更し,アドバイスがほしいなと思う方は,まなびネット上に