*0. はじめに **昨日,先週,教育実習にて - みんな,いろいろな壁を感じている。 - 今回「感じていない人」はいなかったけど,「感じていない人」って,たまにいる。 -「自分ではできている」と勘違いしているけど,傍目ではみんな「まずいでしょ」と感じている。 -そういう方は,.....悩ましいね。 - そこでの「むずかしさ」や「壁」ってなんだろう。 - 「数学的なことをきちんと説明できない」ような人はいない。 - 「数学が苦手な子」にとってつらい授業のこともある。 -「数学が得意な子」にとって,退屈でつらい授業になっていることもある。 - 何が重要なんだろう。そして,むずかしいんだろう。 ** 「課題」から素朴に感じること -授業の概要を書く上で,「誰も図をかいていない」 -- 図なしに,前回の授業を表現することって,できるのか? -- 「だれも図を書いていない」というのは,私にとっては,「ありえないことが全員に!」と,「がっかり」なんていうレベルではありません。 - なぜなら,「図が不可欠だ」と思うから,「スクリーンショットの使い方」を説明していると思わないのですか? ***「何のためにしている」と思っているのでしょう。 - この授業は,「中学生目線で学べ」なんていうことを求めているのではありません。 - みなさん自身が,「授業を設計すること」を意図していますし,そのための一つの出口が,「指導案作成」です。 - 模擬授業って,「授業を受ける練習」ではなく,「そういう授業を再現できるためのサンプル」です。 - つまり,今回の分析は,「自分がそれを再現する」ことを念頭に置いた上で取り組むわけで,授業者としての「肝心なポイント」を把握しているのでしょうか。 *** 「自分が授業者になって再現」できますか? - そのために必要な情報をきちんと拾えていますか? - それぞれのポイントのところで,「おさえておくべきこと」や「生徒から引き出したいこと」などを意識できていますか? ** 九点円の指導案とこれまでの取り組み - 今回配布しているのは,過去に取り組んだ山中実践(九点円)を少しアレンジしたものです。 - 先週の模擬授業は,前段階をさらに少しアレンジしています。 - 自分なりの教材に関して,「同等のもの」をつくるとともに,その流れを「授業として実践する」ための準備を行えることが,例年CIIの授業で取り組んできた内容です。 - 「授業として準備」ということに関して,指導案を元に,授業の重要な部分に関して,「模擬授業的に表現してみる」ことや,授業に関するいくつかの質疑にどう応答するかを踏まえて,指導案を修正して再提出することに取り組んできました。 ** 「今回」想定していること - これまでは,「指導案を作成し,その指導案をもとに発表」することを行ってきましたが,一人あたりの持ち時間が短い等の問題点もありました。 - 「授業の流れを解説する動画をつくって提出する」ことを指導案作成の「前」に行うことにチャレンジしてみるのはどうだろうかと思っています。 - そのための素材は,これまでは「学生自身が探していた素材」で教材研究を行い,指導案設計まで到達することを求めていました。 - もちろん,自主的に課題を見つける方がいいにきまっています。 - でも,これまでの「動かして調べるに値する課題」として注目している様子には,かなり不安を感じています。 - この授業の中で例示してきたものを使ってもかまわないから....というスタンスに切り換えた方がいいのかもしれないと,感じています。 -- ただし,さすがに,かなりの工夫をする場合を除いて,「四角中点」つまり,もっとも基本的な素材として使ってきた事例は,扱わないことにしましょう。 *** 2週間後に提出する課題としての「授業の様子を解説する動画」 - 6/19 23:59 締め切り - 5分程度で,自分の授業の概要を解説する動画を,zoomを使って作成し,そのmp4ファイルを提出する - いずれ,その素材をもとに指導案作成をするつもりで。 -そして,この授業の中では,それらの素材を使いながら,「みなさんの模擬授業(授業の一部分だけだけど)」なども中核にしながら,「よりよい授業にしていくための議論」を進めていきたいと思います。 -「授業についての解説動画」は,「それが最終目標」なのではなく,「そういうことのための助走路」なのです。 *** 1週間後には,「そのための素材」について,授業の流れの概要をwordにまとめたものを提出する(今回の課題) - 素材は,「自作」でもいい。 - 先週のものでもいいし,今週扱う素材でもいい。あるいは,その前に扱った素材でもいい。 *** 今回提出している課題との違い=自分が授業をするためのシナリオをイメージする -九点円の指導案とまではいわないけれど,.... ** 補足 *** すべての三角形は正三角形 - 当たり前ですが,「生徒をだます」ことがねらいではありません。 - 本当は,「背理法」を使えば,論理だけでも進めていくことだってできるのです。「内部に交点があるとしたら,....となるから,正三角形になってしまう。これは仮定に矛盾だから,ありえない。ということは,外部か辺上で交わる。でも,....」というように。 - つまり,「正しく作図すればいい」というだけの「学び」が想定されているわけではありません。 - それ以外に,「きっと合同条件が違うのでは」とか「使い方が違うのでは」と,それぞれのステップを確かめることで,知識の定着を図ることもねらっています。 *** 三角形の合同条件 - 今回「初めてのチャレンジ」だったので,GCの使い方に関しては,まだ改善の余地のあるままになってしまいました。 - 鍵は「反例」 -教科書等では,どう記述されているのだろう。 -それは「生徒が気楽に思いつくもの」なのだろうか。 -GCを使うことで,何をどう支援しようとしているのだろうか。 -今回,大学生のみなさん「だから」少しむずかしい設定にしてみた。でも,それはうまく機能しなかった。結果として,見つからないイライラ感の方が強かった。 -より簡単に見つかるようにするには,どういう手があるのだろう。 -どうして,それは「簡単につくれる」のだろう。 -「そうでない場合でも,こうしたらいい」というアイデアに結びつけることはできるのだろうか。(これは,模擬授業の中では生まれなかった部分になる) *** 九点円 -指導案との「違い」は? そして,それはなぜ? -授業の中での空気感を覚えているだろうか。 -「今日のねらいは証明」と言ったとき,どういう空気だったか。 -「戦略を考えよう」などは,どういう意図で行っているのだろうか。 -そのための伏線は,どういうところにあったのだろうか。 *1.模擬授業を通して **1.1 二つの角の関係 - 「教科書」の中では,私自身が新城市立千郷中学校で行ったものを記述しています。 - 今回は,岡崎市立葵中学校で行ったやり方で取り組んでみます。 - きっとこの方がスムーズにいくでしょう。 - でも,「なぜ,私は千郷中ではそういうスタイルで取り組みたくない」と思ったのか,あるいは,「このやり方の潜在的な問題点はどこにあるのか」を意識化してください。 - ただ,千郷中での私の取り組みには,やはり無理があったと思います。 - 附属岡崎中だったら,また違う反応だったのかもしれませんけど。 |#00126-葵中-01| **1.2 共同井戸を掘るべき場所 - 以前に,附属名古屋中学校で,伊藤先生に取り組んでいただいた事例 - なにがねらいでしょう。 |#00127-0607-01| **1.3 4つの心 -高校での出前授業のときの定番です。 -過去に,岡崎中学校の1年生で扱ったこともあります。(当然,ねらいが異なります) -高校で扱う場合でも,「どこまで扱うか」は複数通り想定できます。 -今回は,「発展バージョン」までいけるならいきたいけど,....どうだろう。 |#00128-0607-02| **1.4 3匹の虫 -これも,高校での出前授業等向きの定番です。 -たとえば,明和高校での夏の学校でも扱ったことがあります。 |#00128-0607-02| **1.5 その他 -下記のような図を使う授業も,.....ありそうだよね。 |#00130-0607-03| |#00131-0607-04| -外心でも,いろいろな図でいろいろな発問,いろいろな流れがつくれそう -@https://yiijima-gc.org/inquiry/cs_gaishin.htm,https://yiijima-gc.org/inquiry/cs_gaishin.htm -5心に関して,いろいろありそう。 -@https://yiijima-gc.org/inquiry/cs_5shin.htm,https://yiijima-gc.org/inquiry/cs_5shin.htm *2. 課題 (まなびネット) ** 「授業の流れを解説する動画」をつくるための「授業の概略」をまとめて提出する - まず,「素材」をきめる。 -- 今日扱ったものから選んでもいい。 -- 前回までの授業の中で,扱ったものから選んでもいい。 -- 自分でこれまでに提出した課題の中から選択してもいいし,新たに見つけたりつくってもいい。 -- また,次の課題を想定して「その準備」として位置づけているけれども,その素材を使って次のことをしなければならないわけではなく,今回と次が変わったとしても,それはかまわない。 -下記のことをwordにまとめて提出する。 - 授業の大まかな流れ --(いずれ授業を解説したり,指導案作成をするための準備になりそうなレベルで) - 授業の意図と工夫 --「何を学ぶ」ことを想定しているのだろうか。 -- そのために,課題設定や使う図などについて,どういう工夫をしているのか。 -- 想定する生徒の活動と,そこで発見すること。 -- ICT(GC)を使わない場合と比較して,使うことはどういう利点をもたらすのか - 困っていること -- 授業の流れを想定する上で,困っていること