*0. はじめに **はじめての「動画」→「指導案」 -感覚的には,「version 1」あるいは「take 1」という感じ。 -でも,きっと「そこで足らないものを感じる」ことが大切かも。 -「つくるとき」と「自分の作品を客観的にながめるとき」を切り換える。 ** 素朴な感想(全般的に) -大切なことが必ずしも語られていなくて,別のところが冗長であることが多い。 -「発問」が明確でない。 -「解答」が明確でない。 -「必然性」があまい。 -「先生がその問題を考えたいから考えさせられている」空気が強い。 -「なにを学んでいる」? --知識 --方法 --プロセス -なんとなく,「上から目線」になっていない? / 「教えるのはわたし」ではなく「主役はあなた」 --でも,教育実習「前」だから,それは仕方がないこと? *1.動画を拝見して(提出順) **1.1 山田くん(共同井戸) -「問い」を明確にする -活動 --「やみくもに」→「工夫して」(言葉使いにはちょっと課題があるかも) -「井戸」から「水道」に変えるの?(「元の問題」は変えない方がいいのでは。) -生徒に任せるべきことは任せてしまったらいい --生徒が「困っている状況」はなにか,そして,「何に困っているの?」「どうしたらいい?」 -「理解してほしい」 --「新しい知識?」「その活用?」 **1.2 堀田くん(重心) -「重心って,知っているか?」 --物理的な意味での「重心」 --本来は,すべてのものに重心はあるが,中心とは違う。(中心って何?) --どういう性質を持っているのか(どういう形について考えるつもり?) -「Fが重心だ」と伝えてしまう「どんな特徴を持っている点なのか」 --この図でのFはwell-definedなのか --そもそも,導入として提示している「物理的な意味での重心」と,この点の関係は? -この定義からいくなら,この図で考えるということに,ほとんど意味がない。 -「可視化」という言葉は,きっと適切でない。 -「証明」って,なんで必要なの。 -どうやって考えるのか。 --「考えさせても無理だから,....」っていう流れって,あまりうれしくない。 --どうして,「こういう証明を思いつく」のだろうか。 **1.3 黒田くん(円周角の定理の逆) -「それを考えるべき問い」が明確でない。 -「円周角の定理」を踏まえてという手もあるし,現実的な問題からという手もある。 -「ささっとすませる」って,? -「だらだらしない」ために,整数値だっていいのかもしれない。 -「最初から下も出させたい」ということ? -それは「よくある授業」とは違うわけで,「そうする意図」は何? -「好きな角」になんてするの? -「予想」は何? -「証明すべきこと」は何? -「いろいろな角について調べる」ということと,「証明をする」ことの関係は? -- いろいろな角についての観察をすべて行ってから一般的な証明? -「気づくこと」が学ぶこと? --それって,「数学」なの? / 「観察」に対して,「証明」あるいは「説明」あるいは...があるのが数学なんじゃない? **1.4 大川くん(3直線上にのる三角形) -まず,「発問」は? -それに対して,「生徒は何をする?」 -最初から「この図を与える?」 -「軌跡が直線かどうか」をまず(軌跡なし)で観察する -軌跡を残すと,「たしかに直線」 -なぜか? なしでいいの? -「どんな直線か」を考える...のは対象の生徒はどんな学年で,どんなことを学んでいるのだろう。 -「正解」は何? いや,そもそも「問題はなに」で「解答すべきこと」はなに? **1.5 犬飼くん(共同井戸) -「そこに向かって井戸をほります」って? -「どこにおけば,平等になるのかな」って聞くの? -最初に考えてほしいのが,「どういうことが平等なのかな」ということ? -- でも,その後,「平等」は外していくんじゃないのか? だから,「平等」は生徒が提案すべきことなんじゃないか? -でも,やっぱり,「平等」を強く推したいみたいね。 -「水道」があとから急に登場してくるのが,違和感。 -経済的なことが登場して「平等」ってなってくると,やっぱり「違和感」というよりも,「だまされた感」 -「途中で問題が変わっている」んですね,って,それ,やっぱり,「だまされた」感でしょ。生徒からみると。 -だから,逆に,「問題を設定したのは生徒だし,納得して問題を変えるのも生徒」でないといけないはず。 **1.6 鈴木さん(三角形の合同条件) -「合同条件を履修後」 -「考えられる条件」って,どうやって見つけるのか,誰が見つけるのか。 -片方は相似条件 → 反例さがしは簡単なので,扱ったらいいのでは。 -- こっちは簡単なのだから,「まるなげ」したらいいはず。 -もう片方も,.... -「生徒が反例探し」をしているのか,「先生が説明をしているのを聞いているのか」わからない。 -反例がどうつくれるかを吟味することで,....えられる合同条件もあるんじゃないのかな。 **1.7 安達くん -「4点が同一円周上にあることを証明せよ」 -GCの図で動かさないまま使っているなら,「静止画」あるいは黒板の上の図でもいいよね。 -「円の追加」は,「元の図」なのか,「そうではない」のかを生徒が誤解しないような形ですべき。 -「その後に」に関しては,「元の問題の解決」は一つおわり,次の別の発展に切り替わっているということを明確に意識すべきでは。 -「なぜ,90度」? -「90度である必要がないのなら,三つ目を追加する」って???? なんか飛躍ないかな。 -PからFermat点というのも,飛躍がある。 -証明をしているのか,していないのか,分かりにくい。 -「ここまでの証明でいえること」と,「ここがどうなるのかがわからない」ということ,そして「ここでそれを証明しようとすること」がわからない。 **1.8 服部くん(すべての三角形は二等辺三角形) -「常に二等辺三角形を示せ」を生徒に証明させる? -GCで描いてみる!? --そうするきっかけは? --その前に手でフリーハンドで作図するとか,定規・コンパスで作図するとか,しないの? -「どこが矛盾していたのか」って,おかしくない? -この授業の意図は,「反例を見つけること」って,ここではなにが反例であり,論理的に説明することって,何を? -なにか,よくわからないことを語っているように思うんだけど。 --「だますことが目的」なんでしょうか....??? -角の二等分線の性質を使うのは,「反例?」 **1.9 藪木さん(垂線の足と,円に内接する四角形) -なんでmovファイル? -Pから垂線の足を下ろす。 -BCEFが円に内接する四角形になるようなPをプロットする。 --どうしてそういう問題を考えるのだろう。(必然性,自然さ) --たとえば,垂心の状態からの一般化 **1.10 渡邉くん(すべての三角形と正三角形である) -「問題」はなに? -「この図に則した証明」は誰がするの? -「動画を止めて考えてみてください」って,...「動画を生徒に見せるの?」 -実際に図をかいてみてください。 -本当に... なんていうの? -GCでかいてみせるの? -「だまされたあなた」がわるいの?「できそこないの図をかいたわたし」がわるいの? -たとえば,角の二等分線の性質を使うことは,「必須」でしょうか。 --既習の知識で,「先生,そうなるはずないじゃない。だって...」って,使わせたい ということじゃないかな。 --「観察したら,いつでもそうなっている」というのでは,まずいでしょうか。 --あるいは,観察しなくてもわかるんだよね。なのかな。 **1.11 高瀬さん(2つの角の関係) -「x,yにはどんな関係があるんだろう」 -「x=60のときyはいくつ?」 --それは生徒にもとめさせるのか,先生が提示するのか,プロジェクタでの画面で生徒にさせるのか。 --それはなぜ? --他の考え方を持っている生徒...って,どんな考え方?予想? --もし,「予想」として扱うなら,「その後の調査で,白黒つけたい」ということになる --あるいは,「y=2x」については,まずここで却下しておきたい? -「どうやって調べる」? -- 調べることを,ここで「考える」「まとめる」のか, -- 調べ方は既習で,「それをここで使う」のか。 -「表」をつくる --そこからなにがわかる -式 -グラフ **1.12 寺本さん(すべての三角形は正三角形である) -「証明するからみてて」 -「おかしい」「ありえない」→「どこがおかしいのでしょう」 --「きれいに作図してみたり,証明を見直したりする」 -後半の図は,「一緒に扱うべきもの」ではなく,「別の問題,別の授業」として扱う方がいい。 **1.13 大原くん(すべての三角形は正三角形である) -「次の図において,三角形ABCは正三角形であることを示せ」 --生徒に証明させるのにちょうどいい課題という意図は,わかる。 --「間違った結論を生徒に自律的にさせる」上で,注意しないといけないことって,なんだろう。 --「必要に応じて誘導」を,どんな感じでするのがいいのか,あるいは... -「なにを学ぶことを想定している」ことになるのだろう。 -先生の側でストーリーをすべて決めておきたいとおもっていないかな。 -生徒の意志を生かす,というのもいいんじゃないかなと思ったりもします。 **1.14 市川くん(共同井戸) -共通井戸? -まず,2地点についてから考える -「垂直二等分線」は,既習なのか,未習なのか。 -3点で外接円の中心が見つかる,というのを既習とすると,それは中3 -円に内接する四角形は,....既習? 未習? -なんか,決着がすっきりしていない -問題の設定の切り換えが,やっぱり,すっきりしていない。 -つまり,先生が勝手に変えてしまっているような感じ。 **1.15 藤井くん(5心の軌跡) -ABを直径とする円上をCが動くときの5心の軌跡 -ある円上に3点A,B,Cがあり,その中の一つの点Cが動くというのでもいいんじゃないか。 -- 「どの心」に注目したとき,その方がいいでしょうか。 ----- -上記,6/20の22時くらいまで。 --その後提出分については,... *2. いくつかの話題に関連して **2.1 すべての三角形は... -扱っている人によって,少しずつ語る内容が違っているのは興味深い。 -ただ,「いい授業にしていくのは,結構むずかしいのかもしれない」という印象 -つまり,「だまされた」感だけが残ってしまうのでは,たぶん,授業ではない。 -いい形で,生徒の気持ちをうまくいかす授業づくりが不可欠。 -そこに自信が持ちにくいとしたら,「似た仕組み」でも,「前向きな生かし方ができる」事例の方がいいのかも。 **2.2 共同井戸 -別にすべて同じねらい,構成にする必要はないのだけれど,オリジナルでのこだわりなどはあまり把握してくれていない感じ。 -問題の「すり替え」みたいにはしたくない。 **2.3 重心 -ちゃんと消化できていない感じがする。 -複数のアプローチがある。 -全員が理解してくれていい素材 -証明ももちろん,複数あるけど,.... *3. 課題 ** 附属名古屋中での授業ビデオをみて分析する -今候補として考えているのは,松元実践と近藤実践 --追加するかも。 **互いの動画についてのコメント -「いい」点 -「改善可能な」点 -- 「学籍番号順で」とか,みなさんと協議してみたい ** 授業の骨格を再検討する -「発問」 -「使う図」 - 主なねらい -- 上記をまなびネットのフォーラムの上にかく(次回まで) ** 動画のtake2 - 2週間後までを目安とするけれども,来週までに提出できたら,そこで検討できます。 ** 指導案作成に続く - ** 今日の授業の感想と,今後への期待 -まなびネットへ