作図の手引き(Geometric Constructorマニュアル Vol.2):飯島康之
[「作図の手引き」目次]
0.はじめに
Geometric Constructor は作図のための道具である。手で図を描く(drawing) よりも,
もっと精確 (全く正確というわけではない) で,そしてその図を動かすことができる道具
である。しかし,その反面, 手で描くより,少し考えながら使わなければならない。
手で描くよりも少し正確に作図したいときは, 定規やコンパスを使うのが普通である。
定規やコンパスを使うには,いくつかの基本的な使い方を学ばなければ, 使いこなせるよ
うにはならない (例えば, 平行線の引き方) 。Geometric Constructor を使いこなすには
,同じようなことが必要なのである。
定規やコンパスによる作図と比べると,Geometric Constructor による作図は,便利な
ところもある。定規やコンパスで,例えば垂直二等分線を引くときには,一見そのことに
は関係のない線も引きながらでないと,目的の直線を引くことはできない。しかし,Geom
etric Constructor の場合, もう少し直接的に,「垂直二等分線を引く」という思考に対
応した形で作図をすることができる。
初めてGeometric Constructor に接する方は,まずいろいろな例を読み込み,変形など
を使ってみた後で,まず1章の補助線の追加をしてみていただきたい。Geometric Constr
uctor での作図とはどういうものかが大体理解できるはずである。作図を始めから行うに
は,最初に図を分析しておく必要がある。とは言っても,補助線が簡単に追加できるよう
になれば,最初からの作図であっても,それほど難しくなくできるはずである。そういう
心構えで2章の要点を読んで頂ければ十分である。
静的な図を作るという意味では,2章までで十分だが,図形を「動かして調べる」とい
うことになると,それを出発点として,様々なことが可能である。そしてまた,それを前
提とすると,様々なノウハウが副次的に生まれてくる。3章以降では,そのようなことに
ついて,いくつかの観点からまとめてみた。必要に応じて読んでいただければ,十分であ
る。
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