*0.はじめに **0.1 最終課題について ***0.1.1 「授業コンセプト動画」の作成と提出 - 期限 12/12 10:00 -- その後,データをサーバにコピーし,共有可能にします。 ***0.1.2 「授業コンセプト動画」へのコメント - 期限 12/21 23:59 - まなびネットに,次の項目で全員分作成したものを投稿する -- 「前回と逆」に,「自分の前の番号 5つ」+「一人以上」の動画に関して,次の観点でコメント --- (0) 「〇〇」さんの動画について --- (1) 発問と「図」の工夫について --- (2) 想定している生徒の数学的活動について --- (3) それらを生かしたグループあるいは学級全体での学びについて --- (4) 紙などでの学びとの違いについて --- (5) それ以外の観点での「動画作成の工夫」について --- (6) その他(あれば) - 他の方からのコメントに関しては,まなびネットにアクセスし,自分の名前を検索すれば,確認することができるはず。 **0.2 最終課題「以外」の課題について - 本来,最終課題作成に向けて,それぞれの授業の中で生かすために設定している課題なので,「事後に取り組む」ことはあまり意味がない。 - 期限の中で提出されなかったものや,「欠席」に関して「その理由」を求めたメッセージに対して,「対応できていない」学生が一定数いる。(その方々は少数派であって,大多数の方はきちんと取り組んでいることは,もちろん了解しています。) - 上記を踏まえて「まなびネット」上でのアンケートや指示があるので,それを踏まえて対処してください。 - 適切に対処できない方は,それに応じた処遇になります。 **0.3 ケーススタディとして扱ってほしいという希望は,一人しかいませんでした。 - その事例は,重視して扱います。 - 他の方で,「その場」で希望される方がいたら,「採用」します。 *1.複素数と動的幾何 **1.1 「虚数」なんて,「ウソ」の数だから,捏造なんじゃない? ***1.1.1 「x^2 - 2x + 1 = 0 の解はある」よね。...なんで? - ***1.1.2 「x^2 + x + 1 = 0 の解はない」よね。...なんで? - みなさんの納得の仕方は? ***1.1.3 「x^2 + x + 1 = 0 の解を考える」手がかりは解の公式? - √の中がマイナスでも,無理やり「ある」ことにする? ***1.1.4 公式がなくなったら,....捏造のモトがなくなるから,あるかどうかわからないし,そもそも「すべては捏造」だから,意味がないんじゃない? - ***1.1.5 「反論」を求めたい。 - **1.2 z^2+z+1 = 0 *** w = z^2 + z + 1 と考えよう - w = z^2 って,どんな感じ |#00102-z2| - w = z + 1 って,どんな感じ |#00103-z1| - w = iz って,どんな感じ |#00104-iz| *** 次の図は,どう考えるといい? |#00100-1126-01| *** 解は「どこ?」 |#00105-z2z_1| **1.3 高次方程式 -Wolfrum Alpha -@https://ja.wolframalpha.com/,-https://ja.wolframalpha.com/ -- Solve[x^2+x+1==0, x] と入力すると,どうなる? -- Solve[x^5+1==0, x] と入力すると,どうなる? -- Solve[x^5+x+1==0, x] と入力すると,どうなる? -- Solve[x^5+2x+1==0, x] と入力すると,どうなる? -- Solve[x^5+2ix+1==0, x] と入力すると,どうなる? -- Solve[x^5+x + i==0,x] と入力すると,どうなる? -- なにか違いがあるのだろうか。 - こういうことの関連した数学の定理とか,関連した数学者って,.... *2.変換と動的幾何 - 上記の複素数に関する計算は, - 平面→平面 と考えると,変換とか,写像として理解できます。 - 複素数以外の作図でも,「点→点」と考えると,平面から平面への変換や写像として理解できます。 - 点→直線や,直線→点 というような対応もあります。 - そういう変換の下での「不変要素」などを観察することも用意な環境が,動的幾何ソフトということができます。 *3.教材研究と授業設計のキホン **3.1 「そのまま使う」のは適切とはかぎらない - 教科書は,「紙と鉛筆」など,「伝統的な道具をつかって考える」ことに最適化しています。 - 生徒が自分ですべきことを「ソフトがやってしまう」ことで,「すべきことをうばってしまう」リスクもありえます。 - 紙などでは取り組みにくい活動が可能になることで,「教科書では想定していない活動」が可能になることもあります。 -- ただし,その活動は教科書等では「書かれていない」ので,自分自身がそれを「見抜く」ことや,他の書籍等から「学ぶ」ことが必要になります。 - 教科書での流れの中にただ入れ込むだけでは,ちぐはぐな授業の流れになってしまう可能性は低くないのです。 **3.2 「無難」な使い方 - 教科書を使った指導で,「ちょっとわかりにくい」ワンポイントをサポートする使い方なら,無難です。 - たとえば,「見ればわかりやすい」ケースは,教師がプレゼン的に解説しながら見せる等をするのが基本です。 - 「どこに注目するべきか」などを意識化し,図の中に書き込む等のことを重視しながら,「教室全体の注目は一つの画面」に限定する方が,授業としては効果的です。 - 逆に,こういう目的の場合,「一人一台」はよりよいようにみえるけれども,実は適していないことも少なくありません。 - 「全員に操作させたい」場合は,「一人一台」は不可欠です。 - そのような場合,タブレット上の図は,「実物の代わり」として使う方が現実的かもしれません。 - 実際,実物を人数分つくり,配布し,作業し,...というのは,かなりの時間と労力を必要としますから。 **3.3 グループでの活動は,言語活動や操作の活性化が不可欠な「問題」が必要 - 4人1台のような使い方は,観察や実験をインターラクティブ(双方向的に)行うことが重要で,そのためには,「問題」と「図」を工夫して与えることが不可欠です。 - その場合,もともと教科書等で用意されている問題を,少し書き換えてちがう問題にする必要や,その活動に適した図をつくり,与えることが必要になります。 - 同時に,「やったらおしまい」ではなく,その結果を吟味するところから,学級全体としての学びが生まれるようにしておくことが重要になります。 - そして,それは簡単なことではありませんから,教材研究・授業の流れ→検討→修正 を行うのが基本でもあるのです。 **3.4 授業の中での「臨機応変の対応」の不可欠さ - 生徒のタブレットの中での活動を取り入れると,他の「観察・実験」などの活動と同様に,生徒にかなりのことを「まかせる」ことになります。 - 「手順とおりに実行する」ことだけに意味があるのではなく,「何を観察したか」「何を考えたか」「次に何をしたいか」などを的確に把握し,それぞれの個人,グループに声かけをしたり,学級全体の動きをコントロールすることが必要になります。 - それは,解説すべきことを指導案の想定とおりに解説するような,そういう授業とは全然違ったむずかしさと,そしておもしろさがありますが,かなりの授業スキルが必要になることはたしかです。 - 「今のみなさん」に,それができることを求めるのは無理でしょう。でも,授業ビデオとして提供している,附属の先生方の授業からは,「そういう授業をしている先生方」もいて,いずれ,そういうことができるようになってほしい,と思います。 - そういうことも,「生徒の立場」で授業を受けるだけで感じることとは違って,「教師の立場」から「自分はそういう授業をできるだろうか,何ができれば,一歩前進できるだろうか」という視点で,授業ビデオなどに接してくれればと思います。 *4.ケーススタディ(教材研究と,授業設計) **4.0 ***4.0.1 「4角中点」 - 教科書の流れでは..... - でも,ここでの模擬授業での取り組みでは,下記のような感じだったかと思います。 -- 「対応表」をつくってみた。 -- そこで,「台形の場合」に焦点を当てて考えると,そこから「より深い問い」が生まれたはず。 -- その結果わかることとして,..... - もちろん,そこでは中点連結定理の応用を学んでいます。でも,定理を活用して証明する,ということ以外の学びが,そこにあったはずです。 - それは教科書の流れで想定されているのとは少し違うことを目標にしているはずです。 - 逆に,その目標の妥当性を意識しないと,「ただ時間を浪費しているだけ」にしかみえないでしょう。 ***4.0.2 アポロニウスの円 - 高校生としては,「計算で求める」ことは不可欠です。 - 「観察・実験」を最初に行って予想をし,それをより正確に行うために,計算を位置づけるのも一つの方法です。 -- このときは,「プロットする」「予測を言語化する」「次に何を明確にしたいかを考える」「特殊な例をみつける/生かす」等のプロセスを位置づけることが重要になります。 -- 逆に,「計算することに,もう慣れている生徒たち」だったら,その作業はまどろっこいと感じるかもしれません。むしろ,計算して,それを確認するために位置づける方がいいかもしれませんし,そのときには,先生の画面を見せるだけでいいのかもしれません。 -- あるいは,「計算結果でわかったことを,条件を変えてみて一般化するとか,問題そのものを少し変えてみる」というような発展課題に取り組む形にしていく方がいいかもしれません。 ***4.0.3 等積変形 -簡単そうで授業としての扱いがむずかしいのは等積変形です。 -既習なのか未習なのかで,活動がまったく変わってきます。 -未習の場合で,どういう流れで構成していくかに関して,教科書的なアプローチの場合,動的幾何ソフトはたぶん必要ありません。 -動的幾何ソフトを使うときには,「面積の測定が可能」ということを使うはずで,それは教科書の構成とは変わるのです。 -既習と位置づけるなら,等積変形の応用は,どこに平行線を引くかという,ある意味静的な図形の見方の中での取り組みになるので,動的幾何ソフトはあまり必要なくなります。 **4.1 「2つの円と線分」 - 何に困っているか,から伺い,議論をしましょう。 **4.2 「....」 *5.おわりに **5.1 学校教育の中での「数学」は,基本的には変わらないかもしれません。 -九九がなくなることはないでしょう。 -連立方程式の加減法,代入法も,二次方程式の解の公式がなくなることもないでしょう。 -入試問題に出る問題なども,それほど変わらないと思っていいでしょう。 **5.2 世の中での「数学の位置」は,きっと大きく変わる。これまでも変わってきた。 -純粋数学だけを意味しているのではありません。数理科学と呼ばれるものや,広く数学の応用と言われるもの,また,Excelで計算されるものや,さまざまなソフトの中で行われていることなども含めた意味での「数学の使われ方」は,劇的に変化してきたはずです。 -逆に,相対的に,「純粋数学」的な書籍は本屋ではとても棚が減っていることが示すようになっているともいえます。 -これは何を意味するのでしょうね。 **5.3 AIは何をもたらすのだろうか。 -ここ数年に焦点を当てるなら,AIは劇的な変化を生みつつありますが,それは何をもたらすのでしょうね。 -狭い意味でも,広い意味でも,いろいろなことが議論できそうです。 **5.4 「数学教育」の中でのICT利用に関しては,ほんの一部しか触れていません。 -実際には,ここで扱っていないICT利用のあり方も,さまざまあります。 -大学ではできないこととしては -- ロイロノート等の活用や,より広くクラウド上のシステムを使った教材作成・配信・学習履歴の分析など -- 学校の教育活動そのものをICTを活用することでの効率化やさまざまなプロジェクトの推進 -- 学校の外の環境も含めた,社会の教育的機能を実現するものとしてのICT -- STEM, STEAM教育といわれるようなもの **5.5 「数学教育」の存在意義をきちんと考えないと,「タブレットで個別指導だけでいいや」になりかねない - 授業の当事者になるつもりであれば,「〇〇先生のところで対面でリアルに学びたい」と言わせられる人になってください。 - きっとそのとき,「いい演出をする小道具」「よりよい数学的活動を実現する小道具」「学びの最適化を設計し,実装するためのシステム」として,ICTは使いこなすのではないでしょうか。 -そのための,ちょっとした準備をしたのが,この4回だったと思います。