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*1.ガイダンス **1.1 この授業の基本方針 - 評価は,テストとレポートと授業での貢献度。(シラバス参照) -- 算数・数学関連は「テストでいい点数を取るため」という呪縛からは解放したいと思いますが,それでも,一定のことはできてほしいと思うので,テストはします。 -- でも,「点数さえ取れればいい」とは思いません。 -- これからの学校教育で,「個別最適な学び」を誤解すると,算数は「個別化」あるいは「孤立化」した学びで十分だとなりかねません。 -- せっかく,いろいろな個性の集まりが,同じ場所,同じ時間を共有した学びをするチャンスがあるとき,「だからこそできる算数の学び」とは何か,そして,その背景にはちょっと高度な観点からみると,どういう内容があるかを学ぶのが,この授業のねらいです。 -- 体験的に学んでほしいこと,レポートとして取り組んでほしいことなどもあります。 -- また,「授業」というものは,教員が一方的に提供するものではなく,子どもと一緒につくっていくもの。「それを,この授業の中でも実感してほしい」→貢献度という指標で,考えてほしいと思います。(出席点ではありません) **1.2 小学校での算数での「内容」の位置づけももちろん配慮するけれど,「みなさんの目線に合わせた」理解を求めるのが,この授業 - 小学校算数の問題なんて,すべて解けるし,算数なんてわかっていると思うでしょうけど,... そんなものではありません。その「背景」の理解が問題なのです。この授業では少し広げたり,深めたりしたいと思います。 - 「高校の数学で,トラウマを残している」人もいるかもしれません。算数のおもしろさを実感しなおす,リハビリの時間と思ってください。ただし,算数の復習の時間ではありません。きっと毎回,新しい内容が入っています。 **1.3 順序は「変えます」 - シラバスでの記述は,他の先生方と合わせることを念頭において揃えていますが,実施する順序は,変えます。 **1.4 「問題解決」に焦点を置きながら,毎回取り組みます。 - **1.5 未来指向の工夫もしたいと思います。 - **1.6「教科書」について ** 学習指導要領解説は,生協等にて -学習指導要領解説は,webにpdfもありますが,低価格なので紙媒体で購入しておくことをおすすめします。 **1.7 参加型の授業にしたいので,「自分にとって,よくない授業」と思ったら,指摘してください。 - たとえば,「難しすぎてわからない」「簡単すぎてわからない」「早すぎる」「遅すぎる」「もっと活躍のチャンスがほしい」「課題が多すぎる」など - なお,まなびネットでは毎回「感想をかいてもらう」仕組みにしておきますが,フォーラムはみんなで共有する場所,つまり,みんなに見えるところなので, - 授業の中で指摘してくれてもかまいません。授業後や,メール等でもかまいません。 **1.8 再履修の方へ - 前回,テストができなかった方は,少し違う評価システムの中で,取り組んでみてください。 -- 逆にいえば,「レポート」は必ず提出するようにしましょう。 -- テストもやさしいわけではないので,対策はそれなりに。 - 特に再履修の方には,いろいろな意味で,「活躍するチャンス」を提供したいと思っています。 -- 貢献度という意味もあるけれど,それ以上に,「よく理解する」と思うし,「楽しい時間になる」と思います。 -- 1年生の人たちとは得意な教科が違う方が多いので,それも生かしていけるといいですね。 *2.自己紹介 - 1989/10-2025/3 : 愛知教育大学 -- 2016/4 - 2018/3 : 附属高校校長 - 2025/4 - 名誉教授 & 非常勤講師 - 主な研究として,動的幾何ソフト GC/html5を開発し,教材開発・授業研究などをしてきていて,今の中学校数学の教科書(啓林館)では,QRコンテンツとしても採用されている。 -- 啓林館との共同研究に取り組んでいるので,普段,自然科学棟 550 にいることが多い。 --@https://www.yiijima-gc.org,https://www.yiijima-gc.org - GIGA以降さまざまなことが大きく変化していく中で,その変化を肌で実感したいし,そこに少しでも関わってみたいと思っている。 -- この授業も,その一つの試み -- 2025/3には,附属名古屋中学校で,「新しい提案授業」に取り組んでみた(最終講義の代わりのようなものとして) *3. 「授業」って,なんだろう。「まなび」って,なんだろう **3.1 ここ数年,学部での「学生気質」が変わってきたことを実感しています。 -@https://www.amazon.co.jp/%E5%85%88%E7%94%9F%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%8B%E7%9A%86%E3%81%AE%E5%89%8D%E3%81%A7%E3%81%BB%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7%E4%B8%8B%E3%81%95%E3%81%84-%E3%81%84%E3%81%84%E5%AD%90%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%E3%81%AE%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E9%87%91%E9%96%93-%E5%A4%A7%E4%BB%8B/dp/4492224025/ref=sr_1_1?adgrpid=135965608734&dib=eyJ2IjoiMSJ9.aogJTz6AXS8El_kZ5bYmAcikNHqqEnPMwk47BTAeAV5IrXa_MRiYgmLwnxUpgjIJ1sfaEahvkaKbECM5ct198VkCksmGDcBUIGC18qjIKvV_BCQzPCnuWzWgyLQU-4nXKhGYz2Bn6JDXwhKrAkwrzOX4-QFMZ1f7PUL3EanGW9Y.AQUyTERkwGG6zfVUs9u5gQspcDn1K82wNJYR2kGggyw&dib_tag=se&hvadid=665927773174&hvdev=c&hvqmt=e&hvtargid=kwd-1707774582844&hydadcr=27492_14701682&jp-ad-ap=0&keywords=%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%8B%E7%9A%86%E3%81%AE%E5%89%8D%E3%81%A7%E3%81%BB%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7%E4%B8%8B%E3%81%95%E3%81%84&qid=1712474571&sr=8-1, たとえば,こういう本もあります。 -タイパ,コスパというのも,コロナ以降の一つの考え方かもしれません。 -だとすると,学部の授業は,「オンデマンドでの映像で学ぶ」のがいいのでしょうか。 -学部で「一通り知識・技能を学ぶ」上で,過去にない効率的な学びを提供可能なノウハウが一般的になってきていることは認めます。 -それはまた,ネットワーク環境が,「もう一つの学びの環境」として,かなり充実したものを実現し,それが「大人にとっての学び」には不可欠であることを意味するとも思います。 -でも,片方で,「そういうものが,みなさんが学校で実現する授業の基本」と考えてよいかどうかには,個人的にかなり疑問を持ちます。 **3.2 「個別最適化された学び」を,それぞれ孤立化し,分断された形でするのがよいのだろうか。 -「そうなっていく可能性」はかなりあるように感じます。 - でも,だとすると,さまざまな個性としての子どもが,特定の時間に特定の場所に集まって学びに取り組む必要なんて,ほぼなくなります。 - 逆説的にいえば,「みなさん世代に適した学び」を配慮するという手もあるけれど,あえて「そうではない学び」をみなさんに求めることで,「小中学校でのまなびの可能性」について考えながら,算数の背景にある数学の理解を求めるのが,この授業の目的として理解してください。 **3.3 AIをはじめとして,さまざまなものが登場しています。「それ」をどう意識化していますか? - みなさんが活躍する時代,そして,みなさんが関わるはずの子どもたちが活躍する時代は,今とどう違っていると思いますか? - 日本で,もう始まっていて,今後加速されるのは,「労働人口の大幅な減少」です。 - 私たち世代は1学年160万人, みなさん世代は110万人くらい,去年の出生数は... - 私たち世代と比較して,2倍くらいの生産性を発揮できないと,衰退しかないのが,未来なのです。 - それを発揮可能にしてくれるものとして,インターネット,AIなどが生まれ,社会は大きく変わりつつあるのが,「今」です。 - 特に算数・数学は,普遍的なことが多いので,そう簡単には変わりません。 - 個人的には,タブレットを使って,図形を動かせるようにしただけなのですけれど,数学的現象をいろいろと楽しんだり,数学に取り組んだり,そして,タブレット中心にして,言語活動を活発にすることで,人と人との関わりをとても楽しめる時間が生み出せたりすることを,実感してきました。 - WiFi接続され,クラウドにつながっているタブレットが文房具になったことは,いろいろなことを変えてくれる可能性があります。 - 算数・数学に関する学びを変えていける余地もあります。 - もちろん,国語の学びも変わりうるでしょう。実技系の教科も,大きく変わりうることは,附属高校でもとても実感しました。 - 少なくとも,「宿題の答えを聞くため以上のこと」ができるはずです。 - できれば,そういうことにも,少しでもチャレンジしていきながら,「未来指向の学び」についても探索してみたいと思います。 - ...一方で,「体で体験する算数も」 **4. 「イントロダクション」としての問題 -授業の中で提示(古典的な問題ではありますが) **4.1 課題 - 提出は,「まなびネット」にて **4.2 今日,介護等体験で欠席する方がいるとのことでした - 彼女がレポートを作成するための資料として提供したいので,この授業のビデオを撮影し,ネット経由で試聴可能にさせてください。 - もちろん,みなさんがレポートをかくための資料としても利用可能です。 - アクセス可能になったら,まなびネット経由で連絡します。