愛知教育大学
>
附属高校
>
校長室
>
附高生にチャレンジ
**51(12/18):PA+PB+PCが最小になるPの位置 - 先週, 2017/12/15(金)に,熊本大学附属中学校で研究授業を行いました。 - 堀尾先生と西山先生のお二人が, 共通の話題に関して, 異なる観点で授業に取り組みました。 - 堀尾先生の取り組みは中学生にはかなり自然に取り組める課題だったのですが, 西山先生が取り組んだ問題は, 中・高校生にはかなり難しい課題でした。私が(前日の)木曜日に愛教大の2年生に模擬授業として取り組んだときには, 40分では時間切れで, しかも最後はほぼ誘導尋問的にヒントを出しながら進めるしかなかったので, ちょっと不安な気持ちで参加しました。 - 短縮の45分授業だったので, 最後の解決までは到達しなかったのですが, 肝心な部分の発見を, ある生徒が見いだしたことを手がかりに, 発見の輪が広がり, 中学生らしい授業として実現されたことに脱帽しました。 - その課題をちょっと観点を変えて出してみることにします。 ? -たとえば, A,B,Cという三軒の家に水を供給するための給水塔を建て,そこからそれぞれの家に水道管を引くことを考えましょう。それなりの水圧があれば, 給水塔から遠くても近くてもあまり変化はありません。 -そのため, 最も経済的に済ますための給水塔の位置を求めるためには, 次の長さの和が最短になることが条件になります。 -- PA+PB+PC - このような最小問題を求めるために, 中学校的な方法でも解決するための鍵は, 長さの和を「折れ線」で表現できるようにすることです。 - 西山先生は, 左の図を使って「この三角形をある角度回転すると, それを発見することができる」と投げかけ,かれらはそれが60°であることを発見しました。 - 60°回転した上で, 点Pを動かすことで, PA+PB+PCが最小になる位置を発見することができます(右図)。 - この図は(クリックすると)動かして調べることもできるようになりますが, みなさんだったら, 動かさなくてもこの図を解読し, 求めるPの位置を発見することができるかもしれませんね。 - チャレンジしてみてください。 |#00022-西山-1|#00023-西山-2| - ちなみに, ここで見つかる点は, ある有名な数学者の名前がついています。 ?? **付記/震災の傷跡 -研究授業の翌日, 少し時間があったので, 熊本城のあたりを散策してみました。 -地震から復興しつつあるとはいえ, 一体何年かかるんだろうと思う景色を目の当たりにしました。 -城壁の内部には入れません。復興の様子の見学コースとして周りを回ることができました。 -天守閣は再建されつつあるものの, 多くの櫓や城壁は壊れたまま。 -そして, 崩れた石垣の石は番号がつけられ並べられていましたが, これはほんの一部。 -気が遠くなるようなジグゾーパズルのよう。 -- 何年かかるのでしょうね。